古くて大きい木造の家
広い玄関は土間になっている
そこに二人の男
一人は坊主刈りの尖り気味の頭
赤みがかった顔の鼻頭は真っ赤
もう一人も坊主刈り
正方形に近い角が丸い四角顔
四角い幅のある眼鏡
色白
「本間さんが偲ばれる」
私は言った
「本間は俺だけど」
と四角顔
「だから宴会のあとそこで二人で踊ってたことだって」
そうか、またやろうなどと和気あいあいと盛り上がる
…
私は自室で仰向けに横になっているのに気づいた
頭頂の方からウイィーンと芝刈り機が迫って来るような音がする
身体を動かそうとするが動けない
何とかがんばって目を少し開いた
エナメルのマントやラバースーツが壁にかかっているのが見えた
がんばって上体を起こし顔を背後に振向けようとするが何とも動かない
頭頂方右側のコンポのチューナーからは自分に興味の変哲もなさそうなラジオ放送の音が聞こえる
止めなければ…
やっと跳ね起き顔を後ろに振向けた!
コンポなどなかった…
あるのは本棚…
そういえば私は本棚を増設したくて5年前ぐらいにコンポを実家に送ったんだった
私は夢の中では過去の意識にあったんだ
昼間仕事中、「本間」という名に心当たった
小学校低学年時代の友人だ
お医者の息子だったな
眼鏡っこだったけど、夢に出てきた人とは似ても似つかぬ顔だ
しかしおそらく彼に関する記憶が「本間」出現の1要因だろう
夢は過去の記憶に関係する
眠りが深いほど意識は過去に
もしそうなら、眠りの深淵でもし夢を観たらどんな意識で何を観るのだろう???